· HARUBOUYA · analytics · 10 min read
広告のCVが管理画面と分析ツールで合わない理由
広告の管理画面では120件、分析ツールでは85件です。どちらかが壊れているわけではありません。数え方が6か所で違うだけです。差の作り方と、どちらを判断に使うかを書きます。

広告の管理画面ではコンバージョン120件です。分析ツールで同じ期間を見ると85件です。報告の場で必ず「どちらが正しいのか」と聞かれます。
答えはどちらも正しいです。数え方が違うだけです。ただし、それを説明できないと数字そのものが信用されなくなります。
差が生まれる場所は6つしかありません。順に見ていきます。
1. いつの日付に計上するか
ここが最大の要因です。
| 集計する側 | 計上する日 |
|---|---|
| 広告の管理画面 | クリックした日(成果が出た日ではありません) |
| 分析ツール | 成果が発生した日 |
7月1日にクリックして7月20日に購入した人は、管理画面では7月1日、分析ツールでは7月20日に1件と数えられます。
月初と月末で数字が大きくずれるのはこれが理由です。月の締めで比較すると、必ず合いません。
2. 成果を誰の手柄にするか
| 集計する側 | 考え方 |
|---|---|
| 広告の管理画面 | その広告が接触していれば自分の成果として数えます |
| 分析ツール | 最後に接触した経路だけを成果として数えることが多いです |
広告をクリックしたあと、後日に検索から入って購入した場合、管理画面は「広告の成果」、分析ツールは「検索の成果」と数えます。同じ1件が両方に立つため、媒体ごとの数字を足すと実際の件数より多くなります。
3. 何日前までさかのぼるか
管理画面には「計測する期間」の設定があります。
| 設定 | 意味 |
|---|---|
| クリック後30日 | 30日以内の成果を数えます |
| クリック後7日 | 7日以内のみ |
| 表示のみ(クリックなし) | 広告を見ただけの人も数える設定があります |
最後の設定が入っていると、管理画面の数字だけが跳ね上がります。まずこの設定を確認します。
4. 1人を何件と数えるか
| 数え方 | 結果 |
|---|---|
| 1回の接触につき1件 | 同じ人が2回買うと2件 |
| 1人につき1件 | 同じ人が2回買っても1件 |
| 1回の訪問につき1件 | 訪問をまたぐと別件 |
重複の扱いが違うと、リピートの多い商材ほど差が開きます。
5. どこで計測しているか
| 方法 | 落ちる場面 |
|---|---|
| ページに入れたタグ | 完了ページを経由しない購入が落ちます |
| 別システムからの連携 | 連携の遅延や失敗で落ちます |
| 実測(受注データ) | 落ちません。ただし広告との紐付けができません |
タグの場合、画面遷移が特殊な完了画面では発火しないことがあります。分析ツール側だけ少ない場合、まずここを疑ってください。
6. 同意と、ブラウザ側の制限
| 要因 | 影響 |
|---|---|
| 同意の取得前に離脱 | 計測されません |
| ブラウザの追跡制限 | 日をまたぐ計測が切れます |
| 広告ブロック | タグが動きません |
広告の管理画面はこれらを推定で補うことがあります。分析ツールは補いません。この差だけで1〜3割動くことがあります。
やること
手順1. 期間の定義を揃える
比較するときは、成果の発生日で両方を揃えます。広告の管理画面には、クリック日ではなく成果発生日で見る設定があることが多いです。
手順2. 定義を1枚の表にする
| 項目 | 広告管理画面 | 分析ツール |
|---|---|---|
| 計上日 | ||
| 計測期間 | ||
| 表示のみの成果 | 含みます/含みません | |
| 重複の扱い | ||
| 計測方法 |
この表を埋めてから比較します。埋まっていない状態で「合わない」と議論しても結論は出ません。
手順3. 1件だけ追跡する
差の理由を特定するには、全体を突き合わせるより1件を追ったほうが早いです。
- 受注データから、直近の注文を1件選びます
- その注文番号で、分析ツール側に記録があるかを見ます
- 同じ人の広告クリックが、いつ発生しているかを見ます
- 管理画面で、その日付に成果が立っているかを見ます
どこで消えたか、どこに二重に立ったかが分かります。
手順4. どちらを何に使うか決める
| 判断すること | 見る数字 |
|---|---|
| 媒体間の予算配分 | 広告の管理画面(同じ物差しで比べられます) |
| 事業全体の売上・件数 | 受注データ |
| サイト内の改善 | 分析ツール |
1つの数字ですべてを判断しようとしません。用途ごとに使う数字を決め、それを資料の脚注に書きます。
失敗例
| 失敗 | 何が起きるか | 代わりにやること |
|---|---|---|
| 「どちらが正しいか」を議論します | 結論が出ないまま時間だけ過ぎます | 定義の差を表にして、用途で使い分けます |
| 媒体ごとの成果を足します | 実際の件数より多くなります | 合計は受注データで見ます |
| 月次で締めて比較します | 計上日の差が最も出る条件で比べています | 成果発生日で揃えます |
| 「表示のみの成果」を確認しません | 管理画面だけ数字が跳ねます | 設定を最初に確認します |
| 定義を資料に書きません | 毎回同じ質問をされます | 脚注に1行で書きます |
まとめ
- 合わないのは数え方が6か所で違うからです。どちらかが壊れているわけではありません
- 最大の要因は計上日です。管理画面はクリック日、分析ツールは成果発生日
- 媒体ごとの成果を足すと、同じ1件が重複して多くなります
- 「表示のみの成果」の設定が入っていると管理画面だけ跳ねます
- 差の特定は全件突合より、1件を追跡するほうが早いです
- 予算配分は管理画面、事業の数字は受注データ、サイト改善は分析ツール
- 使う数字と定義を資料の脚注に書きます。書けば質問が止まります
最初にやることは、両方の設定画面を開いて定義の表を埋めることです。差の8割はここで説明がつきます。
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