· HARUBOUYA · ai · 13 min read

GitとClaude Codeをつなげて使ってみよう

Gitは書類の版管理をコンピュータでやる仕組みです。まずGitが何かを押さえ、Claude Codeとつなぐ手順と、実際の使い方を順に書きます。非エンジニア向けに説明します。

AIとGitが1本の線でつながっているイラスト

AIにコードや文書を書かせるとき、精度を分けるのは指示の書き方ではなく、AIが読める資料が揃っているかです。資料の置き場として使うのがGitとGitHubになります。

順に、Gitとは何か、どうつなぐか、どう使うかを書きます。コマンドを打った経験がない前提で進めます。

Gitとは何か

書類の版管理に置き換える

会社で報告書を作る場面を思い出します。

報告書v1 → 修正版v2 → さらに修正版v3 → 上司の指摘で戻す

このとき知りたいのは、誰が・いつ・何を・なぜ変えたかです。後から「あの版に戻したい」「どこが変わったか見たい」という場面が必ず来ます。

Gitは、この版管理をファイルに対して自動でやる道具です。

使わない場合と使う場合

区分フォルダの中身
使いません最新ファイル.xlsx 最新ファイル2.xlsx 最新_改訂.xlsx 最新_改訂_最終.xlsx 最新_改訂_最終_実は一つ前.xlsx
使います最新ファイル.xlsx の1つだけ(すべての版はGitの中に記録されています)

ファイルが増えないうえ、どの時点にも戻せます。

覚える機能は3つだけ

機能呼び方何をするか
記録しますコミット「ここで何を変えたか」を一言添えて保存します
比べますディフ前の版と今の版の違いを表示します
戻しますチェックアウト/リストア過去のどの時点にも戻します

記録には「誰が」「いつ」が自動で付きます。付けるのはメッセージだけです。

GitとGitHubの違い

ここが最初に混乱する場所です。

名前何かどこにあるか
Git変更履歴を記録する仕組み自分のPCの中
GitHubその履歴をチームで共有する置き場インターネット上

Gitだけだと履歴は自分のPCにしかありません。GitHubに送る(push)ことで他の人が見られるようになり、取ってくる(pull)ことで他の人の変更が自分のPCに入ります。

なぜAIに必要か

Claude Code は、置かれているフォルダの中身を読んで動きます。

置いてあるものAIが分かること
ルールを書いたファイル命名規則、書式、やってはいけないこと
手順を書いたファイル定型作業の進め方
仕様書データの持ち方、業務の流れ

資料がないフォルダでは、AIは文脈なしで動きます。一般論しか返ってこないのはそのためです。Gitで資料を整理しておくと、出力の質が変わります。

つなぎ方

手順1. Claude Codeを入れる

Windowsの場合、PowerShellを開いて次を実行します。

winget install Anthropic.ClaudeCode

macOSの場合はターミナルで次を実行します。

curl -fsSL https://claude.ai/install.sh | bash

どちらも管理者権限は要りません。入ったかどうかは次で確認します。

claude --version

バージョン番号が出れば成功です。うまくいかないときは次を実行すると、何が足りないかを診断してくれます。

claude doctor

利用にはPro、Max、Team、Enterpriseのいずれかの契約が必要です。無料プランでは使えません。

手順2. ログインする

作業したいフォルダでターミナル(WindowsはPowerShell)を開き、次を実行します。

claude

ブラウザが開くので、画面の案内に沿ってログインします。以降は自動でその状態が使われます。

手順3. GitHubのリポジトリを手元に持ってくる

リポジトリとは、資料を入れておくフォルダのことです。GitHubにあるものを自分のPCにコピーする操作を「クローン」と呼びます。

git clone <リポジトリのURL>

URLはGitHubのページの緑色の「Code」ボタンから取得します。

cd <リポジトリ名>
claude

これでAIがそのフォルダの中身を読める状態になります。

資料の置き方

次の構造にしておくと、AIが読み取りやすいです。

リポジトリ名/
  ├── skills/     再利用する作業手順
  ├── rules/      命名規則・書式などのルール
  ├── docs/       仕様書・要件定義
  └── README.md   このリポジトリが何か

フォルダ名は英語の小文字にします。日本語のフォルダ名は環境によって文字化けします。

使い方

基本の流れ

[1] 最新を取ってくる     git pull
      ↓
[2] 作業用の枝を作る     git switch -c <枝の名前>
      ↓
[3] 直す               AIに指示する/自分で編集する
      ↓
[4] 記録する           git add . → git commit -m "メッセージ"
      ↓
[5] 送る               git push
      ↓
[6] 確認してもらって本流に入れる(GitHub上で操作)

「枝」はブランチのことです。本流(main)を直接いじらず、別の枝で作業して、問題なければ本流に合流させます。本流を直接触らないのが事故を防ぐ最大のコツです。

手順1. 最新を取ってくる

作業を始める前に必ずやります。

git pull

Already up to date. と出れば、すでに最新です。

手順2. 作業用の枝を作る

git switch -c add-weekly-report

枝の名前は、何をするかが分かる英語にします。今どの枝にいるかは次で確認できます。

git branch

アスタリスク(*)が付いている行が今いる枝です。

手順3. AIに指示する

claude を起動した状態で、日本語でそのまま書きます。

docs フォルダを見て、今のデータの持ち方を説明して。
特に受注データの粒度と流れを、図で示してほしい。
skills フォルダに「週次報告書の作成」という手順書を作って。
既存の手順書と同じ書式に合わせて。

既存のファイルを参照させるのが要点です。「同じ書式に合わせて」と書くだけで、出力が揃います。

手順4. 何が変わったか確認する

git status

modified: と出ているのが変更されたファイルです。中身の差分を見ます。

git diff

+ が付いた行が追加、- が付いた行が削除です。

手順5. 記録する

git add .
git commit -m "週次報告書の手順書を追加"

git add . は「このフォルダの変更を全部、記録の対象にする」という意味です。-m の後ろがメッセージで、何を変えたかを一言で書きます。

手順6. GitHubに送る

git push

初回は次の形で枝の名前を指定します。

git push -u origin add-weekly-report

送ったあと、GitHubのページを開くと「Compare & pull request」というボタンが出ます。押して説明を書き、作成します。これが「他の人に確認してもらう依頼」にあたります。

手順7. 本流に入れる

確認が済んだら、GitHubのページで「Merge pull request」を押します。これで本流に合流します。

手元も本流に戻しておきます。

git switch main
git pull

よくあるつまずき

症状原因対処
git status で On branch main と出ます枝を作らずに本流を直接編集しています編集前なら git switch -c <名前>。編集後なら git stash → 枝を作る → git stash pop
コミットのメッセージを間違えました—直後なら git commit --amend -m "正しいメッセージ"
間違えてファイルを消しました—git restore <ファイル名>
pushしたあとに直したくなりました—直して git add . → git commit → git push。依頼は自動で更新されます
Permission denied (publickey).GitHubへの接続設定ができていませんエラー文をそのままAIに貼って聞きます

最後の行が実用的です。エラー文をそのまま貼れば、原因と対処が返ってきます。読めない英語を自分で解読する必要はありません。

失敗例

失敗何が起きるか代わりにやること
本流で直接作業します途中の壊れた状態が全員に見えます必ず枝を作ります
pullせずに作業を始めます他の人の変更と衝突します作業前に必ず git pull
コミットのメッセージが「修正」だけ後から履歴を見ても何も分かりません何を変えたかを書きます
資料を置かずにAIに指示します一般論しか返ってきません先に docs と rules を置きます
秘密の情報をファイルに書きます履歴に残り、消しても追えますAPIキーやパスワードは別の仕組みで管理します

最後の1つだけは取り返しがつきません。一度コミットした情報は、ファイルを消しても履歴から復元できます。

まとめ

  • Gitは書類の版管理を自動でやる道具です。覚えるのは記録・比較・復元の3つです
  • Gitは自分のPC、GitHubはチームの置き場です。送る(push)と取る(pull)でつながります
  • Claude Code は置かれたフォルダの中身を読んで動きます。資料が無ければ一般論しか返りません
  • 作業は必ず枝を作ってから行います。本流を直接触らないだけで事故が減ります
  • 詰まったらエラー文をそのまま貼って聞きます。英語を解読する必要はありません
  • 秘密の情報は絶対にコミットしません。履歴から消せません

最初の一歩は、既存のファイルを1つ選んで、1行だけ直して、記録して、送るところまで通すことです。仕組みは触ってからのほうが早く分かります。

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