· HARUBOUYA · design · 12 min read
LPの制作を外注するときの指示書の書き方
「いい感じに作ってください」では出てきません。目的・読者・必須項目・NG・計測要件を書いて渡します。1枚に何を書けば、出てきたものをその場で判断できるかを整理します。

LPの制作を外注して、出てきたものを見て「なんか違う」と言います。修正を依頼して、また違います。3往復して納期が来ます。
原因は制作側ではありません。判断の基準を渡していないことです。基準がなければ、出てきたものは毎回「感想」でしか評価できません。
指示書に書くのは8項目です。A4で1〜2枚に収まります。
書く8項目
| # | 項目 | 書かないと何が起きるか |
|---|---|---|
| 1 | 目的と成果地点 | 何をもって成功かが共有されません |
| 2 | 想定する読者 | 説明の深さが合いません |
| 3 | 流入経路 | 前提知識のずれた構成になります |
| 4 | 掲載必須の項目 | 法務確認で差し戻ります |
| 5 | 構成の順番 | 情報の並びが毎回変わります |
| 6 | トーンとNG表現 | 修正が主観の応酬になります |
| 7 | 素材の所在と権利 | 入稿で止まります |
| 8 | 計測要件 | 公開後に効果を測れません |
1. 目的と成果地点
「認知を上げたい」では作れません。ページ上で何が起きたら成功かを1つに決めます。
| 書き方 | 良し悪し |
|---|---|
| 問い合わせを増やします | 曖昧 |
| フォーム送信を、月30件 | 判断できます |
| 資料ダウンロード。現状の月12件を25件に | さらに良いです |
成果地点が2つ以上ある場合は、優先順位を付けます。同列に並べると、両方とも弱くなります。
2. 想定する読者
| 項目 | 例 |
|---|---|
| 立場 | 導入を検討する担当者。決裁者ではありません |
| 知識 | 用語は知っていますが、比較検討は初めて |
| 不安 | 社内で説明できるかどうか |
| 判断までの期間 | 2〜4週間。その場では決めません |
最後の行が構成を変えます。その場で決めない読者向けなら、持ち帰れる資料への導線が要ります。
3. 流入経路
| 経路 | 読者の状態 |
|---|---|
| 検索から | 課題は自覚しています。解決策を探しています |
| 広告から | 課題の自覚が薄いです。まず関心を持たせる必要があります |
| メールから | すでに関係があります。説明は短くてよいです |
| 資料内のQRコードから | 説明済み。申し込み導線だけでよいです |
同じ内容でも、経路が違えば構成が変わります。経路を書かないと、制作側は検索流入を前提に作ります。
4. 掲載必須の項目
法務・広報の確認で差し戻る原因になりやすいです。先に列挙します。
- 価格の表記(税込・税抜の別)
- 提供条件と対象範囲
- 注意事項・免責
- 会社情報へのリンク
- プライバシーポリシーへのリンク
- 問い合わせ窓口
- (該当する場合)法令上の必須表記「必須表記が何か」を制作側は知りません。業界特有のものほど、こちらが出します。
5. 構成の順番
ワイヤーフレームを描かなくてよいです。見出しの順番だけを書きます。
1. 見出し(何ができるか。1行)
2. 現状の課題(3つ)
3. 解決の方法
4. 具体的な使い方(画面の例)
5. 導入している規模・業種
6. よくある質問(5つ)
7. 価格
8. 申し込みフォームこの順番があるだけで、出てきたものを順番どおりに見て判断できます。順番を指定しないと、毎回違う並びで上がってきます。
6. トーンとNG表現
| 項目 | 書き方 |
|---|---|
| 文体 | です・ます。体言止めは見出しのみ |
| 一人称 | 当社 |
| 読者の呼び方 | お客様 |
| 使わない表現 | 「業界No.1」「必ず」「絶対」など根拠の要る断定 |
| 使わない装飾 | 影、グラデーション、立体的な効果 |
| 絵文字 | 使いません |
根拠の要る断定を先に禁止します。後から直すと、構成ごと作り直しになります。
7. 素材の所在と権利
| 渡すもの | 形式 |
|---|---|
| ロゴ | 元データ(SVGまたはAI形式) |
| 配色 | カラーコードで指定 |
| 書体 | 名称と、使用許諾の有無 |
| 写真 | 元データ。使用範囲の条件も添えます |
| 過去の制作物 | 参考として1つ |
写真の使用範囲を確認してから渡します。撮影時の契約で、Webのみ・期間限定などの条件が付いていることがあります。
8. 計測要件
ここが抜けると、公開後に効果を測れません。
- タグを設置する(コードは別途支給)
- 成果として計測する操作:
・フォーム送信完了
・資料ダウンロードのクリック
・電話番号のタップ(スマートフォンのみ)
- 各ボタンに識別用の属性を付与する(命名規則は別紙)
- ページ表示速度:スマートフォンで表示開始まで2.5秒以内ボタンに識別用の属性を付けてもらいます。これがないと、公開後にどのボタンが押されたかを分けて数えられません。
受け取ったときの見方
出てきたものを、次の順で見ます。感想から入りません。
| # | 見るもの | 判断 |
|---|---|---|
| 1 | 必須項目が全部あるか | 無ければ差し戻し |
| 2 | 構成の順番どおりか | 違えば理由を聞きます |
| 3 | NG表現が入っていないか | あれば差し戻し |
| 4 | スマートフォンで見て読めるか | 実機で確認 |
| 5 | 計測の属性が付いているか | 開発者ツールで確認 |
| 6 | 表示速度 | 計測ツールで確認 |
| 7 | 見た目の印象 | 最後に見ます |
7番目を最初に見ると、1〜6の指摘が後出しになります。順番を守るだけで往復が減ります。
修正依頼の書き方
| 悪い書き方 | 良い書き方 |
|---|---|
| もう少しインパクトを | 見出しを「◯◯」に差し替え |
| 全体的に硬いです | 本文の語尾を「です・ます」に統一 |
| ここは違います | 3番目のブロックを、構成の順番どおり2番目へ移動 |
修正は「どこを」「どう」の2点で書きます。理由は添えてもよいですが、無くても進みます。
失敗例
| 失敗 | 何が起きるか | 代わりにやること |
|---|---|---|
| 「いい感じに」と依頼します | 判断基準が無く、往復が増えます | 目的・読者・順番を書きます |
| 成果地点を2つ以上並べます | どちらも弱くなります | 優先順位を付けます |
| 流入経路を書きません | 検索流入を前提に作られます | 経路と読者の状態を書きます |
| 必須表記を制作側任せにします | 法務確認で差し戻ります | こちらから列挙します |
| 計測要件を書きません | 公開後に効果を測れません | 属性の付与まで指示します |
| 見た目から先に指摘します | 後出しの指摘が続きます | 必須項目と構成から見ます |
| 感想で修正を依頼します | 意図が伝わりません | 「どこを」「どう」の2点で書きます |
まとめ
- 往復が増える原因は制作側ではなく、判断の基準を渡していないこと
- 成果地点は1つに絞ります。2つ並べると両方が弱くなります
- 流入経路を書きます。書かないと検索流入を前提に作られます
- 必須表記はこちらから列挙します。制作側は業界特有の事情を知りません
- 構成は見出しの順番だけでよいです。これで受け取ったときの見方が決まります
- 計測要件を必ず書きます。ボタンへの属性付与まで指示します
- 受け取ったら、見た目は最後に見ます。順番を守るだけで往復が減ります
最初にやることは、目的・読者・流入経路の3行を書くことです。ここが埋まらないうちは、まだ発注する段階ではありません。
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