· HARUBOUYA · ai · 9 min read

生成AIを全社に配ったのに使われない理由と、3か月で定着させる手順

使われない原因は、社員のやる気ではなく「いつ使うか」が決まっていないことです。定着しない5つの理由と、業務に組み込むまでの3か月の進め方を月ごとにまとめます。

パソコンの前で頭を抱える人、書類の山を抱える人、困った顔で話し合う3人のイラスト

全社員にAIのアカウントを配りました。最初の週は話題になりました。3か月後、管理画面で利用状況を見ると、使っているのは一部の人だけでした。導入の相談で、いちばん多い状態です。

**使われない原因は、社員のやる気でもツールの性能でもありません。「どの業務の、どの場面で使うか」が決まっていないことです。**決まっていないものは、忙しい日常の中で後回しになります。

定着しない理由と、3か月で業務に組み込むまでの手順を整理します。導入全体の流れはAIを会社に導入していく手順に書きました。ここでは「配ったあと」に絞ります。

問題:使われない会社で起きていること

よくある状態社員の本音
アカウントを配って終わり何に使えばいいか分かりません
使い方の研修を1回だけ実施研修の例と自分の業務がつながりません
「自由に使ってください」と案内自由と言われると、使わなくても困りません
入力してよい情報が曖昧怒られるくらいなら使いません
使っている人が評価されません時間をかけて試すほど損をします

仕組み:定着しない5つの理由

理由何が足りないか
1. 使う場面が決まっていません業務の手順の中に、AIを使う工程が書かれていません
2. 最初の成功体験がありません1回目に試した結果がいまひとつで、そこで止まります
3. 聞ける人がいませんうまくいかないときに相談する相手がいません
4. ルールが曖昧入力してよい情報が分からず、慎重な人ほど使いません
5. 誰も見ていません利用状況を確認する人がおらず、使わなくても何も起きません

どれも、社員個人ではなく仕組みの問題です。仕組みを整えれば、使う人は増えます。

やること:3か月の進め方

1か月目:対象を絞って、使う場面を決める

やること具体的な内容
対象の部署を1つ選びます全社ではなく、協力的な人がいる部署から
対象の業務を3つ決めます週に1回以上ある作業。例:議事録、週次報告、メールの下書き
業務の手順書に1行足します「下書きはAIで作り、担当者が確認して直す」と書きます
型を配りますそのまま貼り付けて使える指示文(プロンプト)を業務ごとに1つ用意します
相談役を1名決めます使い方に詳しい人を「困ったら聞く人」として部署に知らせます

**手順書に書くことが一番効きます。**書かれた作業は、やるかやらないかではなく、やり方の問題になります。

2か月目:うまくいった例を集めて配る

やること具体的な内容
週1回、15分の共有会「これに使ったら楽になった」を1人1つ話します
うまくいった指示文を集めます共有フォルダに業務別でためます
使っていない人に声をかけます責めずに「どこで止まっているか」を聞きます
利用ルールを見直します迷いが出た点を、ルールに書き足します

利用ルールの書き方は社内でAIを使うルールを文書にするにまとめました。

3か月目:効果を数字で出して、広げる

やること具体的な内容
作業時間を比べます対象の3業務について、導入前と後の時間を比べます
利用率を確認します対象部署で、週1回以上使っている人の割合
経営側に報告します削減できた時間と、次に広げる部署を1枚にまとめます
次の部署へ広げます1か月目の型と手順書を、そのまま渡します

目安にする数字

時期目安
1か月目の終わり対象部署の半数が、週1回以上使っています
3か月目の終わり対象部署の8割が、週1回以上使っています
3か月目の終わり対象業務の作業時間が、3割以上減っています

目安に届かない場合は、止まっている理由を聞きます。多くは「使う場面が分からない」か「ルールが怖い」のどちらかです。

失敗例

失敗起きたこと防ぎ方
全社に同時展開しましたどの部署でも中途半端になり、成功例が生まれません1部署で成功させてから広げます
研修を増やしました研修には出るが、業務では使いません研修より先に、手順書に使う工程を書きます
利用回数を人事評価に入れました意味のない利用が増え、数字だけが上がります見るのは回数ではなく、作業時間の変化
相談役を決めませんでした最初につまずいた人が、そのまま使わなくなります部署ごとに聞ける人を1名置きます

まとめ

  • 使われない原因は、社員ではなく「使う場面が決まっていない」こと
  • 1か月目は、対象の部署と業務を絞り、手順書に使う工程を書きます
  • 2か月目は、うまくいった例と指示文を集めて配ります
  • 3か月目は、作業時間の変化を数字で出して、次の部署へ広げます
  • 利用回数ではなく、作業時間がどれだけ減ったかを見ます

定着まで伴走する支援も受けています。進め方と料金はトップページに掲載しています。

AIが定着した会社は、ツールを配った会社ではなく、使う場面を決めた会社です。

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