· HARUBOUYA · ai · 10 min read
AI導入を外注する前に、社内で決めておく5つのこと
外注先が決めてくれないことが5つあります。対象の業務、AIに見せてよい情報、社内の担当者、成功の基準、予算の上限の5つです。そのまま使える依頼メモの書き方までまとめます。

AI導入の外注で、うまくいく会社といかない会社の差は、依頼の前に出ています。外注先がどれだけ優秀でも、依頼する側にしか決められないことがあります。
決めずに頼むと、外注先は一般的な提案を出すしかありません。一般的な提案は、自社の業務に合いません。
外注の前に社内で決めておく5つと、そのまま外注先に渡せる依頼メモの書き方をまとめます。外注全般の準備はベンダーに頼む前に、自分で決めておくことに書きました。ここではAI導入に特有の部分に絞ります。
問題:決めずに頼むと起きること
| 決めていないこと | 起きること |
|---|---|
| 対象の業務 | 「全社の業務効率化」のような大きな提案が来て、費用も期間も膨らみます |
| AIに見せてよい情報 | 試作の途中で「その資料は社外に出せない」と止まります |
| 社内の担当者 | 外注先からの質問に誰も答えられず、打ち合わせが空転します |
| 成功の基準 | 納品されたものが良いのか悪いのか、誰も判断できません |
| 予算の上限 | 見積りのたびに社内の稟議がやり直しになります |
仕組み:外注先が決められない理由
外注先が決められないのは、判断に社内の事情が必要だからです。
| 項目 | 判断に必要な社内の事情 |
|---|---|
| 対象の業務 | どの業務に何人が何時間使っているか |
| AIに見せてよい情報 | 取引先との契約、個人情報の扱い、社内規程 |
| 社内の担当者 | 誰が時間を割けるか、誰に決める権限があるか |
| 成功の基準 | 経営側が何を期待しているか |
| 予算の上限 | 今期の予算と、決裁の権限 |
どれも社外の人には見えません。だから依頼する側が先に決めます。
やること:5つを決める
1. 対象の業務を1〜3つに絞る
「AIで何かできないか」ではなく、業務の名前で書きます。1つの業務について、次の3つを書き出します。
| 書き出す項目 | 例 |
|---|---|
| 業務の名前 | 週次の営業報告の作成 |
| 1回にかかる時間と頻度 | 1回2時間、週1回、担当者3名 |
| 困っていること | 数字の転記に時間がかかり、間違いも出ます |
時間が分からない場合は、次の2週間だけ記録してから頼みます。
2. AIに見せてよい情報を決める
外注先は試作のために、実際の資料やデータを見たがります。何を渡せるかを先に決めます。
| 区分 | 例 | 扱い |
|---|---|---|
| 渡してよいです | 社内向けの手順書、公開済みの資料 | そのまま渡します |
| 加工すれば渡せます | 顧客名を含む報告書 | 名前を記号に置き換えて渡します |
| 渡せません | 取引先との契約書、個人の評価 | サンプルを作ってもらうか、社内で作業します |
判断に迷うものは、法務や情報管理の担当者に先に確認しておきます。
3. 社内の担当者を1名決める
外注先の窓口になる人を1名決めます。条件は2つです。
- 対象の業務を実際にやっている、またはよく知っています
- 週に2〜3時間、打ち合わせと確認に使えます
**担当者が決まらない会社は、外注しても進みません。**先に社内の時間を確保します。
4. 成功の基準を数字で書く
3か月後にどうなっていれば成功かを、数字で書きます。
| よくない書き方 | よい書き方 |
|---|---|
| 業務を効率化したいです | 週次報告の作成時間を、1回2時間から30分にします |
| AIを社内に定着させたいです | 対象部署の8割が、週に1回以上使っています |
| 品質を上げたいです | 転記の間違いを月5件から0件にします |
5. 予算の上限と、決める人を書く
見積りを取る前に、上限を決めておきます。あわせて、誰が決裁するかも書きます。
上限を外注先に伝えるのをためらう人は多いです。ただ、伝えたほうが、その金額でできる範囲の提案が返ってきます。
依頼メモの例
5つをまとめると、外注先に渡すメモになります。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 対象の業務 | 週次の営業報告の作成(1回2時間、週1回、担当者3名) |
| 困っていること | 数字の転記に時間がかかり、間違いも出ます |
| 渡せる情報 | 報告書のひな形、顧客名を伏せた過去の報告書3回分 |
| 社内の担当者 | 営業部の担当者1名(週3時間まで対応可) |
| 成功の基準 | 3か月後に作成時間を30分に、転記の間違いを0件に |
| 予算の上限 | 50万円(決裁は部長) |
| 希望の時期 | 12月から試験導入したいです |
このメモがあれば、初回の打ち合わせから具体的な話ができます。
失敗例
| 失敗 | 起きたこと | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 対象を「全社」にしました | 提案が大きくなりすぎ、予算が通りません | 業務を1〜3つに絞ります |
| 情報の扱いを後回しにしました | 試作の途中で止まり、2か月遅れました | 渡せる情報を先に区分します |
| 担当者を兼務で決めました | 担当者が忙しく、確認が毎回1週間遅れます | 週2〜3時間を業務として確保します |
| 成功の基準がありませんでした | 納品後に「思っていたのと違う」となりました | 3か月後の数字を先に書きます |
まとめ
- 外注先に決められないことが5つあります。対象の業務、見せてよい情報、担当者、成功の基準、予算
- 業務は名前と時間で書きます。「AIで何か」では頼めません
- 渡せる情報を3つに区分しておくと、試作が止まりません
- 社内の担当者の時間を確保できないなら、外注の前にそこを解決します
- 5つをまとめた依頼メモがあれば、初回の打ち合わせから具体的に進みます
5つのうち、どこから決めればよいか分からない場合は、スポット相談で一緒に整理することもできます。料金は料金の目安に掲載しています。
外注の成否は、頼む前の1枚のメモで決まります。
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