· HARUBOUYA · ai · 7 min read
「AIで自動化したい」と言われたときに、最初に聞く質問
技術の話に入る前に埋める4つです。作業時間、間違いの影響範囲、良し悪しの基準、中止の判断を決めます。ここが決まれば作るものが具体になります。

「AIで何か自動化できないかな」
こう言われて担当になった方から、相談を受けることがあります。困っているのは、やることが決まっていないことです。要望が抽象的なまま進めると、作ったあとで「これじゃない」と言われます。
私がこの段階で聞くのは、4つだけです。技術の質問ではありません。どれも業務の質問です。
要望が曖昧なまま進むと起きること
よくある失敗は、試しに作ってみるところから始めることです。
動くものができます。見せます。「もう少し精度が上がらないか」と言われます。調整します。また言われます。この往復が終わりません。何をもって十分とするかが決まっていないためです。
先に4つを埋めれば、この往復は起きません。
質問1:いま人が何分使っているか
対象の作業に、1回あたり何分、月に何回かかっているか。
この数字が出ないなら、まだ着手する段階ではありません。効果を測れないからです。導入したあとに「で、どれくらい楽になったの」と聞かれて答えられないと、次の予算がつきません。
測り方は単純で構いません。次の1か月、作業のたびに分単位で記録するだけです。
ここで、そもそも月に10分しか使っていないと分かることもあります。その場合は、対象を変えたほうがよい、という判断ができます。これも成果です。
質問2:間違えたときに誰が困るか
生成AIは間違えます。前提として、間違えても致命的にならない使い方から始めます。
社内向けの下書きなら、人が読んで直せます。社外へ自動で送る文面なら、間違いがそのまま相手に届きます。同じ「文章を作る」でも、必要な作り込みがまったく違います。
聞くのは、間違いが誰にどう届くかです。ここで社外や顧客の名前が出てきたら、人の確認を挟む工程を必ず入れます。
質問3:正解を決められるか
一番重要な質問です。
出てきた結果が良いか悪いかを、誰が、どういう基準で判断するのか。ここが決まらないと、改善のしようがありません。
基準は、機械で測れるものから決めてください。文字数が範囲内か。必須の項目が入っているか。禁止している表現が混ざっていないか。この3つだけでも、判断の大部分は自動化できます。
読みやすさのような、機械で測りにくいものは後回しで構いません。先に測れるものを押さえるほうが、改善が早く進みます。
この質問に「見れば分かる」としか答えられない場合、まだ着手できません。何を見て分かるのかを言葉にするところから始めます。
質問4:やめるときの判断は誰がするか
意外と聞かれないのがこれです。
うまくいかなかったときに、いつ、誰が中止を決めるのか。決めずに始めると、効果が出ないまま続くか、いつの間にか誰も使わなくなるかのどちらかになります。
あわせて、期限も決めておきます。3か月試して、作業時間が半分にならなければ中止します。この基準があると、関係者が安心して試せます。
4つに答えられたら着手できる
順番はこうなります。
- 作業時間を測る(1か月)
- 間違いの影響範囲を確認し、人の確認を入れる箇所を決めます
- 良し悪しの基準を、測れる形で3つ書きます
- 期限と中止の基準を決めます
ここまで決まっていれば、作るものはかなり具体的になります。逆に、ここが決まらないまま作られたものは、たいてい使われません。
AIの導入がうまくいかない理由は、モデルの性能ではなく、この4つが飛ばされていることにあります。聞かれて答えに詰まったなら、それが最初の作業です。
参考になったら、いいねを押してください。





