· HARUBOUYA · ai · 6 min read

生成AIの「精度が低い」を直す手順。評価セットと構造化出力から始める

文章を自動生成する仕組みで、出力の質が安定しないときの直し方を説明します。プロンプトを書き直す前に、測る仕組みと出力形式の固定から着手します。

評価セット・構造化出力・比較検証の3点を並べたカバー画像

記事や紹介文を自動生成する仕組みを入れたあと、必ず出てくる相談が「なんとなく精度が低い」です。ここを感覚のまま直しにいくと、プロンプトを書き換えては元に戻す堂々巡りになります。

問題

「精度が低い」は、中身の違う不満がひとまとめになった言葉です。

実際に起きていること本当の原因
指定した文字数を超えます出力形式が自由すぎます
書いていない事実が混ざります材料となる情報が不足
文体がバラつきます前提となるルールが毎回変わります
見出しの構成が毎回違います出力の型が決まっていません
入れてほしい語句が入りません必須条件が指示文に埋もれています

原因が違えば対策も違います。まず「どのNGが何割起きているか」を数えるところから始めます。

仕組み

改善に必要な部品は3つです。

部品役割
評価セット良し悪しを判定するための入力と正解の一覧
構造化出力出力をJSON形式に固定し、型で縛る機能
生成パラメータ出力の揺れ幅を決める設定値

なかでも効くのが構造化出力です。指示文のなかで「30文字以内でお願いします」と頼むより、出力の設計図(スキーマ)で文字数や必須項目を縛るほうが確実です。近年のモデルではPythonのPydanticなどの型定義をそのまま設計図として渡せます。

やること

1. 生成ログから30〜50件を抜き出す

表計算ソフトに「入力条件/生成された文章/NG理由」の3列を作り、実際の出力を貼ります。良い例と悪い例を両方入れます。

2. NG理由を分類して数える

上の表の分類で振り分け、割合を出します。ここで一番多いものが最初に潰す対象です。

3. 出力をJSONに固定する

タイトル、リード文、見出しごとの本文、タグ、のように項目を分けて設計図を書き、生成時に「JSON形式で返す」設定と設計図をセットで渡します。文字数の上限も設計図側に書きます。

4. 指示文を4つに分ける

役割の説明/文体のルール/出力の決まりごと/お手本の実例、の4ファイルに分け、バージョン番号を付けます。1本の長い指示文は、どこを直したか追えなくなります。

5. 新旧を同じ入力で比べる

同じ30件を旧版と新版に流し、機械で測れるもの(文字数、禁止語、必須語句の有無)を自動判定します。判定しづらい読みやすさは、別の生成AIに採点させる方法もあります。

6. 揺れ幅の設定を調整する

安定させたい本文は低め、案を複数出したいタイトルは高め、が出発点です。設定を変えたら必ず同じ30件で測り直します。

失敗例

やりがちなこと起きること
指示文だけ直して終わり直した実感はありますが、良くなった証拠が残りません
一度に5か所直しますどの変更が効いたか分かりません
出力の型を決めずに運用開始表示側で毎回レイアウトが崩れます
お手本を1件しか入れませんその1件に引きずられた文章ばかりになります
評価を人の目視だけに頼ります件数が増えた時点で回らなくなります

まとめ

  • 「精度が低い」は分解して数えるところから
  • 出力の型はお願いではなく設計図で縛ります
  • 指示文はファイルを分けてバージョンを付けます
  • 変更は1回に1か所、同じ入力で新旧を比較
  • 評価は機械で測れる部分から自動化

直す前に測ります。それだけで改善は再現できるものに変わります。

Share:

参考になったら、いいねを押してください。

コメント

    お名前とコメントは、確認後にこのページで公開されます。メールアドレスや電話番号などは書かないでください。

    Back to Blog

    Related Posts

    View All Posts »
    AI導入を外注する前に、社内で決めておく5つのこと

    AI導入を外注する前に、社内で決めておく5つのこと

    外注先が決めてくれないことが5つあります。対象の業務、AIに見せてよい情報、社内の担当者、成功の基準、予算の上限の5つです。そのまま使える依頼メモの書き方までまとめます。

    議事録をAIに書かせるときの、渡し方と型

    議事録をAIに書かせるときの、渡し方と型

    文字起こしを丸ごと渡しても、読める議事録にはなりません。渡す前にやること、出力の型の決め方、固有名詞の事前登録、そして必ず人が直す箇所を書きます。