· HARUBOUYA · analytics · 7 min read
BIツールを選ぶ前に、社内で決めておく5つのこと
製品比較から入ると決まりません。読み手、判断、データの置き場所、更新頻度、担当の5つです。この5つが決まれば候補は自然に絞れます。

BIツールの導入を検討するとき、多くの会社が製品の比較から入ります。機能一覧を並べて、価格を見て、無料版を触ってみます。
この順番だと、たいてい決まりません。決まったとしても、導入後に使われないものができます。
ツールの差より、社内で決まっていないことのほうが効いてくるからです。
ツールを先に決めると起きること
よくある展開はこうです。
評判の良いツールを契約します。担当者が触ってみます。試しに画面を作ります。役員に見せます。「これじゃない」と言われます。何が違うのか分からないまま、作り直します。半年後、契約だけが残ります。
どのツールを選んでも同じことが起きます。「何を見たいか」が決まっていないからです。
決めること1:誰が見るか
役員なのか、部門長なのか、現場の担当者なのか。ここで必要な粒度が変わります。
役員が見るなら、指標は5つ以内にします。現場が見るなら、明細まで下りられる必要があります。両方を1つの画面に詰め込むと、どちらにとっても使いにくいものができます。
最初は1種類の読み手に絞ってください。全員向けに作ると、誰も使いません。
決めること2:何を判断するためか
画面を見た人が、次に何をするのか。ここを1行で書きます。
「在庫が滞留している商品を見つけて、値下げの判断をする」のように書きます。こう書ければ、必要な指標は自動的に決まります。逆にこれが書けないと、指標が際限なく増えます。
この1行は、作る側ではなく、見る側に書いてもらってください。
決めること3:データの置き場所
BIツールは、データを表示する道具です。データそのものを整える機能は限られています。
複数のシステムのデータを組み合わせて見たいなら、先にデータを一箇所に集める必要があります。これをBIツールの中でやろうとすると、動作が重くなり、定義も画面ごとにバラバラになります。
確認するのは2点です。今のデータが1つの場所にまとまっているか。まとまっていないなら、まとめる仕組みをどうするか。
ここが未定のままツールを選ぶと、選定基準が変わってしまいます。
決めること4:更新の頻度
リアルタイムが必要か、1日1回でよいか、週1回でよいか。
ほとんどの経営判断は1日1回で足ります。リアルタイムが必要なのは、在庫の引き当てや当日の配送など、その場で動く業務に限られます。
頻度を上げると、費用も設計の難度も上がります。「あったほうがいい」ではなく「なければ困る」で決めてください。
決めること5:作ったあとの担当
指標を足したいとき、定義を変えたいとき、誰に言えばよいか。
兼任で構いません。名前が決まっていないダッシュボードは、半年で放置されます。あわせて、その人が使える時間も確認してください。月に2時間も取れないなら、外部に運用を頼むことも含めて考える段階です。
決まってから選べば、候補は自然に絞れる
5つが決まると、比較する軸が変わります。
読み手が現場中心なら、権限の細かさが効きます。データがまとまっていないなら、接続できる先の広さが効きます。更新が1日1回でよいなら、高価な高速処理は不要です。担当者が非エンジニアなら、画面の作りやすさが最優先になります。
機能一覧の全項目を比べる必要はありません。自社に効く軸は、せいぜい2つか3つです。
ツール選定で悩んでいる時間の大半は、実は社内の合意が取れていない時間です。順番を変えるだけで、選定は短く終わります。
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