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指標の定義書を作る。列名より先に決めること

列の一覧表を作っても数字の意味は分かりません。数える対象、時点、除外するもの、オーナーの4つを書きます。1指標5行で書き切ります。

机の上に置かれた指標定義書の紙束とメガネのイメージ

指標の定義書を作りましょう、という話になると、多くの場合そこで止まります。

作り始めると、列の一覧表になってしまいます。項目名とデータ型が並んだ表ができて、結局これを見ても数字の意味は分かりません。そして更新されなくなります。

定義書に書くべきなのは、列ではありません。数え方です。

定義書が続かない理由

続かない定義書には共通点があります。

作る目的が「資料を残すこと」になっていることです。読む人を想定していないので、書く粒度が決まりません。結果、全部を網羅しようとして終わらなくなります。

読み手は、会議で数字を見る人です。その人が「この数字は何を数えたものか」を確認するために開きます。この想定で書けば、必要な分量は1指標あたり数行に収まります。

先に決めること1:誰の行動を数えるか

最初に決めるのは、数える対象です。

「利用者数」と一言で言っても、会員登録した人なのか、実際にログインした人なのか、購入した人なのか。それぞれ別の数字です。

書き方は、主語と動詞で1行にします。「当月中に1回以上ログインした会員」のように書きます。これで、集計する側も読む側も迷いません。

ここが曖昧なまま列名だけ決めると、同じ列名で違うものを数えることになります。

先に決めること2:いつの時点で数えるか

次が時点です。ここが一番ずれます。

売上を例にすると、受注した日なのか、出荷した日なのか、入金された日なのか。どれも「売上」として扱われますが、月をまたぐと値が変わります。

あわせて、締めのタイミングも決めます。月末23時59分までなのか、翌月3営業日目の集計時点なのか。返品やキャンセルが後から発生する業務では、ここを決めないと毎月数字が動きます。

先に決めること3:除外するもの

定義書で一番忘れられ、そして一番もめるのがここです。

社内テスト用のアカウント、社員自身の購入、キャンセル分、無料で提供した分、返品されたものなどです。含めるか除くかで、数字は数パーセント変わります。

書き方は、除くものだけを箇条書きにするのが簡単です。「除く:社内テスト用アカウント、社員購入、キャンセル済み注文」のように書きます。この1行があるかないかで、月次のすり合わせが消えます。

除外の条件は、データの中でどう判別するかもあわせて書いてください。「社員購入はメールアドレスのドメインで判別」といった形です。書いていないと、集計する人によって判別方法が変わります。

先に決めること4:更新の責任者

定義を変えられる人を1人決めます。

合議にすると、変更のたびに会議が必要になり、結局誰も直さなくなります。オーナーを1人置いて、その人が決めます。異論があればその人に言います。この形が続きます。

あわせて、見直しの頻度も書いておきます。半期に1回で十分です。日付が書いてあると、棚卸しのきっかけになります。

列名を決めるのは、そのあと

ここまで決まってから、初めて列の話になります。

順番を逆にすると、列名の議論が長くなります。「active_userとするかlogin_userとするか」という話は、何を数えるかが決まっていないから起きます。数え方が1行で書けていれば、名前はその要約にすぎません。

定義書の1指標あたりの分量は、次の5行で足ります。

  • 指標名
  • 数える対象(主語と動詞)
  • 数える時点と締め
  • 除外するものと、その判別方法
  • オーナーの名前

会議で使う指標が10個なら、50行です。1日あれば書けます。

この5行がそろっている会社は、月次の数字でもめません。もめている会社は、たいていこの5行がどこにも書かれていません。

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